畳の博物村

歴史資料館 畳のはじまりから今までを、写真を見ながらたどっていきます。むかしの人たちは、畳の上でねたり、すわったり、どんな毎日をすごしていたのでしょうか。畳は、時代とともに形を変えながら、日本のくらしの中で大切に使われてきました。写真や展示を見ながら、畳のれきしをのぞいてみましょう。

畳っていつからあるの?

畳は、今からおよそ千年以上前、むかしの日本で生まれました。
はじめのころの畳は、今のように部屋いっぱいにしきつめるものではなく、すわる場所やねる場所にだけ置かれる、持ち運べるものでした。
そのあと時代が進むにつれて、家の中に広がり、今のような形の畳へと変わっていったのです。

むかしの家

むかしの日本の家では、畳はとても大切で特別なものでした。家の中すべてに敷かれているわけではなく、お客さまをむかえる部屋や、えらい人がすわる場所だけに使われていました。
畳の上に上がることは、少し緊張するような、あらたまった時間だったのです。畳は、くらしの中で身分や立場をあらわす役目ももっていました。

今の家

今の家では、畳はとても身近な存在になりました。家族が集まる部屋や、くつろぐ場所、子どもが遊ぶ場所など、さまざまなくらしの中で使われています。
すわったり、ねころんだり、安心して過ごせる場所として、畳は今も日本のくらしにやさしく寄りそっています。

畳の歴史

  • 畳が生まれたころ

    畳が生まれたころは、今のように部屋いっぱいにしくものではありませんでした。床の上に置いて、すわる場所やねる場所にだけ使われる、小さな敷物でした。畳はとても貴重で、だれでも使えるものではなかったのです。

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  • 武士と畳のくらし

    武士のくらしが広がると、畳も少しずつ家の中に増えていきました。えらい人ほど立派な畳を使い、すわる場所も決められていました。畳は、身分や立場をあらわす大切な役目を持っていました。

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  • 家じゅうに畳が広がる

    町に住む人たちの家にも、畳が広がっていきます。
    部屋いっぱいに畳をしく家が増え、畳は特別なものから、毎日のくらしに欠かせないものへと変わっていきました。

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  • くらしが変わる、畳も変わる

    西洋のくらしが日本に入ってきたことで、家のつくりも変わりました。それに合わせて、畳の大きさや形も少しずつそろえられていきます。今の畳につながる作り方が、このころに広まっていきました。

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  • いまも使われる畳

    今も畳は、日本のくらしの中で大切に使われています。
    和室だけでなく、洋室に取り入れたり、新しいくらしに合わせた畳も生まれています。畳は、これからも形を変えながら、くらしに寄りそっていくでしょう。

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むかしむかし

約1000年以上前

この時代の畳ってどんなもの?

床に「置いて」使う、小さな特別席のような畳。

畳が生まれたころ、畳は今みたいに部屋いっぱいにしきつめるものではありませんでした。
必要なときに床の上へ置いて、すわる場所やねる場所を整えるための敷物でした。いわば「ここが今日の席だよ」と場所をつくる道具です。

当時は、床そのものが今より冷たかったり硬かったりして、長い時間すわるのも大変です。
だから、畳を置くことで体が楽になり、姿勢も整い、落ち着いて過ごせる場所ができました。
ただし、だれでも自由に使えるものではなく、特別な人が使う“いい敷物”だったと考えられています。

また、畳は「持ち運べる」ことが大きな特徴でした。
部屋の真ん中に置いたり、端に寄せたり、必要に合わせて場所を変えられます。
この“置いて使う畳”が、のちに家の中へ広がっていく「畳文化」のスタートになります。

この時代の特徴

さむらいの時代

700〜500年前

この時代の畳ってどんなもの?

座る場所やえらさがはっきりわかる、「きちんとした畳」。

武士のくらしが広がると、畳は「正式な場所」をつくるものとして大切にされていきました。
人をむかえる部屋や大事な話をする部屋では、畳があることで空気が引きしまり、礼儀(れいぎ)や決まりごとがはっきりします。

このころは、畳が「どこにあるか」「だれがどこにすわるか」がとても重要でした。えらい人ほど良い場所にすわり、使う畳も立派だったといわれています。
畳は、ただ気持ちいい床ではなく、立場や順番を見える形にする道具でもあったのです。

さらに、畳が増えることで、部屋の使い方も少しずつ変わっていきます。「すわる場所」を整えるだけだった畳が、部屋の中に広がりはじめ、畳の上で生活する時間が長くなっていったと考えられます。

この時代の特徴

町人のくらし

400〜200年前

この時代の畳ってどんなもの?

特別なものから、毎日のくらしの“ふつう”になった畳。

町がにぎやかになり、ふつうの人たちのくらしが広がると、畳はどんどん身近になっていきました。
それまで「限られた場所・限られた人」のものだった畳が、家の中へ入ってきて、家族の生活の中心になっていきます。

このころから「部屋いっぱいに畳をしく」家も増え、畳の上で食べたり、くつろいだり、寝たりする時間が長くなっていきました。
畳は、ただの敷物ではなく「家の中の居場所」をつくる存在になったのです。

また、畳が身近になるほど、人びとは畳を大切に扱うようになります。汚れたら手入れをしたり、傷んだら直したり。
畳といっしょに暮らす、という感覚がこの時代に広がったと考えられます。

この時代の特徴

明治〜昭和

100年ほど前

この時代の畳ってどんなもの?

大きさや作り方がそろって、今の畳に近づいた畳。

明治から昭和にかけて、日本のくらしは大きく変わりました。洋服やイスの生活が少しずつ広がり、家の形も「和」と「洋」がまざっていきます。
そんな変化の中で、畳も“作りやすく、使いやすく”整えられていきました。

この時代の大きなポイントは、畳のサイズがそろっていくことです。地域によって違いはありながらも、「この部屋にはこの大きさ」と考えやすくなり、畳を入れ替えたり直したりする文化も安定していきます。

また、家の中に洋室が増えても、畳の部屋は「くつろぎの場所」として残りました。
畳の上にちゃぶ台を置いたり、布団をしいたり、日本の暮らしに合った使い方が続いていったのです。

この時代の特徴

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今の畳

いま

この時代の畳ってどんなもの?

くらしに合わせて選べる、進化している畳。

今の畳は、昔のように「座敷にあるもの」だけではありません。へりなし畳を用いて、洋室の一角に畳コーナーを作ったり、リビングに置き畳を敷いたり、家族の暮らし方に合わせて取り入れられるようになっています。

色や素材も広がりました。
やさしい色の畳、丈夫でお手入れしやすい畳、部屋の雰囲気に合う畳…。
「気持ちいい」だけでなく、「使いやすい」「長く使える」工夫も増えています。

そして、畳のいちばんの魅力は今も変わりません。
すわる、ねころぶ、深呼吸する。畳の上には、ほっとできる時間が流れています。昔から続く心地よさが、今の暮らしの中でも生きているのです。

この時代の特徴