畳の博物村

歴史資料館 畳のはじまりから今までを、写真を見ながらたどっていきます。むかしの人たちは、畳の上でねたり、すわったり、どんな毎日をすごしていたのでしょうか。畳は、時代とともに形を変えながら、日本のくらしの中で大切に使われてきました。写真や展示を見ながら、畳のれきしをのぞいてみましょう。

畳って、どうやってできるの?

材料をそろえ、形をととのえ、
職人の手で一枚ずつ作られます。

畳は、い草でできた畳表と、土台になる畳床、仕上げの畳縁を組み合わせて作られます。
まず部屋の大きさ・ゆがみに合わせて寸法をはかり、その寸法の違いが目立たぬよう一枚一枚の畳に割り振り、吟味された畳表を畳床に張り縫いとめます。次に畳縁を縫いとめ、最後に厚みを考え一枚の畳ができあがります。今では機械がメインですが、古来から作り方は同じ。昔は全て手縫いで技術を要します。
農家さんの材料と畳屋さんの技術が相まって、はじめて畳となって生まれるのです。

畳のしくみ畳のしくみ

畳は、見た目は一枚の床のように見えますが、いくつもの材料を重ねて作られています。それぞれの材料には、気持ちよさを生み出す役目や、畳を長く使うための大切な役目があります。この全体図では、畳の中がどうなっているのかを見ながら、一枚の畳がどんな工夫でできているのかを知っていきましょう。

畳は、表面・芯・ふちの3つの部分でできている

  • 畳表 い草でできた畳の表の部分

    畳表は、私たちが直接ふれる部分です。い草のさらっとしたさわり心地や、やさしい香りは、この畳表から生まれます。見た目の美しさも、大切なポイントです。
    普及品から最上級品まで、品種も様々あります。また、い草を模した「和紙」「樹脂」なども多種多様です。

  • 畳床 畳の中にあるしっかりした土台

    畳床は、畳の形と強さを支える大切な部分です。人がすわったり歩いたりしても、沈みすぎず、安定した感触をつくります。畳の「芯」となる部分です。
    ワラ、ワラサンド、化学床など多種多様です。厚みも様々あります。

  • 畳縁 畳のまわりを守る仕上げの部分

    畳縁は、畳のふちをおさえ、ほつれや傷みを防ぐ役目があります。
    また、色や模様で、部屋の印象を変えることもできます。
    今では化繊が大半ですが、上品な綿の縁も。こちらも多種多様です。

くろまめの豆知識

畳のリフレッシュ方法は3つ!畳表は両面使えるリバーシブル。裏も使って長く使える!

畳表を畳床(下地)より取り外して裏面を表面にし、ヘリを新しくします。
裏返しの目安は2〜5年で早めにすると綺麗に仕上がります。

畳床はそのままで、現在ついている畳表を外し、新しい畳表とヘリを付け替える事を言います。3〜10年に1度が表替えの目安です。

畳そのものを新品に交換します。凹凸やブカブカ感があり、15〜20年以上経つお宅は思い切って新畳に入れ替えてもいいでしょう。

畳ができるまで

  • STEP 1

    材料をそろえる

    畳づくりに必要な材料を準備します。

    畳づくりは、材料をそろえるところから始まります。表面になる「畳表」は、い草から作られ、中の土台になる「畳床」は、しっかりとした強さが必要です。仕上げには、畳のまわりをおさえる「畳縁」も使います。
    一枚の畳には、いくつもの材料が使われています。

  • STEP 2

    寸法をはかる

    部屋に合う大きさを、正確にはかります。

    畳は、どの部屋にも同じ大きさで入るわけではありません。
    部屋の広さや形に合わせて、一枚一枚ていねいに寸法をはかります。この作業がずれると、畳がうまくおさまらなくなってしまいます。

  • STEP 3

    框縫い(畳表を張る)

    畳床に、畳表をぴんと張り、しっかりと縫いとめます。

    畳表は、ただ上にのせるだけではありません。い草の目をそろえ、しわやたるみが出ないように張り具合を調整しながら、框(畳のみ短い方)を丈夫な糸で縫い付けていきます。この作業が甘いと、表面がゆるんだり、長く使ううちに傷みやすくなってしまいます。
    畳の美しさと耐久性を左右する、大切な仕上げの工程です。

  • STEP 4

    巾落とし(畳表を切る)

    畳の寸法に合わせて、畳表を切ります。

    畳表はあらかじめ決まった幅で織られていますが、そのままでは畳の寸法に合わないこともあります。部屋の寸法、割り振られた寸法どおりにい草の目を整え、左右のバランスを考えて巾を決めます。
    この作業がずれると、見た目がゆがんだり、仕上がりに差が出てしまいます。

  • STEP 5

    平刺し・返縫い(縁をつける)

    畳の端に畳縁をつけ、しっかりと縫いとめます。

    縁は、見た目を整えるだけでなく、角や端を守る大切な役割があります。平刺しや返縫といった方法で、寸法どおり丁寧にゆがみが出ないよう仕上げていきます。
    縁がきれいに付くことで、畳全体が引き締まり、丈夫で長持ちする一枚になります。

  • STEP 6

    完成

    すべての工程を終え、畳が一枚のかたちになります。

    すべての工程が終わると、一枚の畳が完成します。
    こうして作られた畳は、部屋に入れられ、人がすわったり、歩いたり、くつろぐ場所になります。一枚の畳には、材料と手仕事、たくさんの時間がこめられています。

職人のしごと

畳は、人の手で作られています

畳づくりは、手仕事

い草は、畳の材料として使われる、日本のくらしに深く関わってきた植物です。見た目は細くてまっすぐな草ですが、中は空洞になっていて、しなやかさと丈夫さをあわせ持っています。この形のおかげで、い草は折れにくく、長く使うことができます。
毎日すわったり、歩いたりする畳にぴったりの植物なのです。

見て、はかって、感じて

畳職人は、目で見て、手でさわり、畳の張り具合や固さを確かめながら作業を進めます。
少しのずれや違和感も、そのままにはしません。「気持ちよくすわれるか」「長く使えるか」そんなことを考えながら、細かな調整を重ねています。

受けつがれる技

畳づくりの技は、長い時間をかけて受けつがれてきました。道具や作業のしかたは時代とともに変わっても、ていねいに作るという気持ちは、今も変わりません。
一枚の畳には、材料だけでなく、職人の時間と想いがこめられています。

職人の技を今へ受け継ぐ職人